ジジョロン

「そろそろ本気だす」といい始めてからが本番だ

唐突に2016年の将棋界の良かったことを振り返る

日本将棋連盟理事と渡辺二冠、そして連盟のスポンサーの一社である読売新聞社が巻き起こした「三浦九段冤罪事件」の大きさばかりがクローズアップされてしまい、本来なら素晴らしい出来事が立て続けに起きていた年だってこと、一般の方のみならず将棋ファンの方も失念しちゃっているのではないかと思いまして、よかったことをまとめてみたよ!

冤罪事件のほうはいずれなにかしらの記事にすると思いますが、今日はそんなマイナスなことは忘れて、ハッピーだったことを思い出そうぜ!

目次

史上最年少の四段誕生

本来ならこの出来事が1番クローズアップされてしかるべきだったはずなんだけどね。

史上最年少、14歳2ヶ月で四段、いわゆるプロになった藤井聡太四段。中学生でプロになった棋士は必ず名人位に付いているし、タイトルも2つ以上は全員ゲットしているので、藤井四段も多分に漏れず少なくとも名人位を取ることが宿命づけられているといっていいと思う。

彼の特徴は詰将棋解答選手権連覇を果たすほどの終盤力。プロになってまだ2局だけしか指していないし、相手も加藤一二三と豊川先生なのでアレだけど、随分差をつけて勝つのだなあ、一方的に攻め勝つんだなって思った。余して勝つ、と評されているようだけどそれよりもっと苛烈ですね。

実力者相手にどんな将棋を指すのか、とか2、3年たってどんな傾向が出るのかとか成長が楽しみなんですよね。かの羽生善治より早いわけですから。

気がかりなのは彼に見合う同期のライバルが居るかどうか。成長するにはそんな相手も必要だったりするのでね。

そうそう、藤井は名古屋在住だから関西所属になるんですよね。タイトルホルダー候補が関西に増えるのは大阪生まれ福岡育ちの私には嬉しい(天彦も福岡出身なので嬉しい)。

最年長対局を更新

その藤井四段のデビュー戦でぶつかったのが古豪、加藤一二三九段(福岡出身)。対決時は76歳。14歳対76歳が戦う競技って他にあるのだろうか?

将棋は朝10時から対局によるけれど、夜9時とかまでかかる競技で、精神と体力がないと結果がでないのです。76歳で最後まで戦えるのはあの100kgを越える体重を維持する食欲があってからこそなのでしょう。

最近の昼食はカキフライ定食カキ多めです。それにしても76歳でよくもまあ食べられますよね〜。私はアラフォーですがまあ食べるぐらいなら空腹でいたほうがラクなくらいです。その食欲だけでも凄いなあ、と思います。

名人位が羽生から佐藤天彦へ20代の名人誕生

福岡繋がりでいえば、今季羽生から名人位を奪取した佐藤天彦も福岡出身なんですよ。

第74期順位戦A級、8勝1敗でA級1期目で名人位挑戦して4勝1敗で念願のタイトルを獲得。王座(対羽生)、棋王(対渡辺)で取れなかった分喜びも大きかったのではないかな。

物腰が柔らかく丁寧な物言いと、少し特徴的なファッションセンス。容姿は普通のおっさんだけど人柄がよいので「貴族」と呼ばれるのも納得がいきます。ツイッターでは対局後に丁寧な自己反省と次局への決意を毎回されていて、マメな性格だなあって。

天彦名人、叡王戦優勝

その天彦名人ですが、千田六段を三番勝負で屠り、叡王戦トーナメントで優勝しました。ニコニコ生放送で毎週放映されるのは将棋ファンにとっても嬉しく有り難いサービスです。中継も毎回凝ってますし、快適に閲覧するためにプレミアム会員になったとしても月540円ですからね。

ほかの例えば課金アプリとか他の趣味に比べれば相当低価格で存分に楽しめる趣味だなあって思います。

早く第2期電王戦の開催日が決まるといいなあ。ざっくり2017年春としか書かれていないのは、名人戦防衛戦のある天彦名人のスケジュール調整があるからなのでしょうね。

羽生、叡王戦出場

叡王戦に羽生三冠が登場したのは驚きましたよね。大人の事情(タイトルホルダーがコンピューターに負けると出資している新聞社が恥をかかされた!とわけのわからないイチャモンをつけてくるであろう事情と、かりにコンピューターと戦うことになるのなら、コンピューター対策に最低でも1年掛るけれど対策にそこまでかまけていられない、という本気かどうかわからない羽生の発言など)で出てこないと思っていましたからね。

トーナメントでは準決勝まで勝ち上がったのですが、天彦名人にここでも土を付けられてしまいました。

電王戦で先に勝ち名乗りをあげていた Ponanza の開発者である山本さんも残念だったことでしょうが、結局現名人が相手なのですから、前回の山崎よりかは手応えがあるのではないでしょうか。

千田、棋王挑戦

叡王戦では名人との3番勝負に負けてしまい、モチベーションにしていた優勝したら最新の Ponanza がレンタルもなくなったわけですが、同時に進行していた棋王戦では、何度立ち塞がる佐々木勇気をねじ伏せて渡辺二冠へ挑戦することとなりました。

この千田の充実ぶりも目を見張りますが、今回の相手の渡辺っていうのが、あれです、三浦冤罪事件の関係者っていうのが興味深いといいますか不思議な縁といいますか。

私は面白い将棋を指してもらえれば、例え極悪非道な人間であっても問題ありません。盤上の世界と、現実世界は分けて考えるようにしています。

私としては森信門下のタイトルホルダーが増えることを望みます。

「聖の青春」が映画化

森信門下の筆頭といえば、村山聖です。そんな彼の映画「聖の青春」が公開されました。松山ケンイチが主役です。

私はなんやかんやで観にいっていませんが、原作のほうはもう5回は読み直していますし、そもそも村山聖はデビューの頃から知ってますし、それからずっと見守ってきましたし、だから足跡も知っているし、映画を見なくても解っている、っていうか。

それに絶対観たら泣いちゃいますからね。それわかってて観るのなんか悔しいし。DVDかAmazonプライムにでも入ったらこっそり観てみることにします。

「3月のライオン」がアニメ化、映画化

映画化といえば、「3月のライオン」も映画されますね。アニメは一足先に公開中で、2017年時点でも継続して放映されています。

将棋も人気漫画家の手にかかればこんなにもポピュラーな世界に変換されてしまうのですね。間口が広くなったぶん、色んな人が観て感じて近くなってくれると嬉しいですけれど、ね。

将棋も観る、指す、語り合う。色んな楽しみ方が増えるのは楽しいことです。

藤井銀河

我らのアイドル、藤井猛九段が久しぶりに棋戦しかも早指し棋戦を制したのです。しかもですよ、「藤井システム」で!

今の若い将棋ファンだと知らない人が多いかもしれないですが、振り飛車が居飛車穴熊に滅多打ちされて、プロの世界でも振り飛車党が軒並み鞍替えしていくさなか、颯爽と華麗に居飛車穴熊をぶっ潰した革命的戦法「藤井システム」。この戦法により、藤井は竜王位を3期保持し、一度は羽生の挑戦さえ退けたんだぜ!あのシリーズは語り草になるほどの激戦で、戦型もバラエティーに富んでて振り飛車党が1番幸せだった時期だったかもしれない…。

そんな甘酸っぱい気持ちを思い起こさせる戦いっぷりだったわけだ。この決勝戦も藤井システムで戦い、その記録は将棋世界11月号に自戦記として収められているので、振り飛車党は要チェックのこと!

将棋世界 2016年11月号

将棋世界 2016年11月号

豊島、将棋日本シリーズ優勝

棋戦優勝といえば、無冠の帝王こと、豊島七段が将棋日本シリーズ優勝で、初の優勝を手にしました。

昔から強い強いっていわれてきたのに、優勝が初とか驚きです。タイトルも3回登場していますし、順位戦でもB1、竜王戦は1組だし強いのです。強いのですがまだどうも殻を破れていない。

タイトルなんて糸谷八段に先を越されているし、そろそろ爆発してもいいと思うのだけどなあ。まだ26歳なんだけど、そろそろ。そろそろお願いします。

他には

あと「よかったこと」ではないけれど、気になったことを箇条書して締めたいと思います。

  • 二上達也元連盟会長死去
  • B1、郷田丸山がピンチ
  • 山崎、ponanzaに連敗
  • 週刊将棋休刊
  • 郷田真隆王将二歩で反則負け
  • 久保九段対局開始時刻を間違えて対局場
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