ジジョロン

「そろそろ本気だす」といい始めてからが本番だ

「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」は子供だましにしても酷すぎる

娘が是非みたいというので毎年この時期になると映画妖怪ウォッチを見に連れてきています。 前回も酷かったですが今回は更に輪をかけて悲惨だったです...。

映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」の実態と酷い理由を以下にまとめます。 ネタバレありですので見る予定のある方はスルー推奨で。

目次

ご都合主義を自白している

基本のストーリー。

バレリーナを目指して努力していた少女が交通事故にあい、復帰の目処が立たず絶望。絶望のエネルギー?が高まった結果、2次元世界(アニメの世界)と何故か接続してしまう。2次元=アニメの世界だとリアルさが失われ、ご都合主義が適用されるので少女が踊れるようになる。なのに満足もせず絶望しつづけ、ダークサイド落ちした少女に負のエネルギーを持った妖怪が乗り移る。

ところで世界が接続されてしまうと、リアルと2次元双方の世界が破滅してしまう(ロボニャンが唐突に説明する)ので、妖怪を倒し、世界を閉じる必要があるので、主人公ケータはとりあえず妖怪を倒すことにする。

実は少女はちゃんとリハビリすればバレリーナの夢が叶うのだったのだけど、本人が諦めてただけ。周りの皆は応援してた。そのことをボス戦が終わると唐突に気付いて、改心することで少女はリアルの世界に戻っていく。

…なにをいっているかわからないと思うけれど、自分でまとめてみて読み返してもさっぱり要領を得ない話だったのですよ...。

本編では語り手であるウィスパーが必然性の理由がない場面転換やアイテムの登場で何度も「ご都合主義ですねー」といってしまうのですが、その言葉が象徴するように、物語として価値は本作にはありません。

何故なら、一つ一つの語りが次の場面で意味を持たないからです。話を理解しようとセリフや演技を追ったところで、脈絡なく話が転換してしまう。だから見てる側は、ツギハギだらけの映像をただ見せられているだけなんです。

ストレスしか感じませんでした。

パッチワークともいえない構成

例えば、オロチとキュウビがパワーアップして口上をいうシーン中に敵妖怪に食べられてしまい、お約束が通用しない、っていうギャクがありましたが、戦闘全体がギャク扱いになってて、笑えないんですよ。

こういうシーンは真剣な戦闘が続いている中で登場するからインパクトのあるギャクになって爆笑を誘うわけですけれど、そういう配慮がない。これでもかと、よくある定番ギャグを詰め込んでいるので、失笑が続きます。

そもそも、この映画はレベル5が3次元表現を試したかっただけなんじゃないでしょうか。2次元(アニメ)と3次元との融合、というのが今回の映画のテーマでもあったわけですが、テーマありき。テーマにためにあえてでっち上げた話なのでしょう。

アニメと実写ということもツギハギな構成に拍車を掛けたのでしょう。制作側としてはチームが別構成なわけでそれぞれで完結しちゃっているんですよね、当たり前ですけれど。実写とアニメのテンションが違いすぎますし、アニメは声優がプロに対して実写のほうはまあ素人に毛が生えた方ばかりですからそもそもが無茶なんです。

ゲーム作品やアニメ作品で登場した主要キャラもその後の商品展開を考慮すると出して置かなければならないという計算もあって、うさぴょんとか出てましたが必然性がこれもない。

そもそもですよ、登場キャラの背景をバクロ婆で語らせちゃうのどうなんだろう?時短だとはいえ、なんでもかんでもすぐ設定を提示しちゃうのは演出として稚拙なのではないかな〜。観客が想像する部分全部カットでしょう? これじゃあ物語を楽しめっていわれても無理だよ。

融合表現を試したかったのならば、物語を徹底的に作り込んで誰が見ても納得できるシナリオになっていればよかったんです。ハリウッド映画なんか人気を得るためにシナリオでもチームを作って徹底して仕上げると聞きますが、本作にはそんな片鱗は一ミリも感じることはありませんでした。

3次元への甘え

人気イケメン俳優や美少女、実力派俳優をコスプレさせて出しておけば、子供達への認知度アップというエサで出演交渉も出来るし、見に来る子供の親に対しての希求力にも繋がるという算段だったのではないかな。

必然性のない場面での登場が多いですもん。ジバニャンの飼い主の女の子とか、人面犬とかニャーKBとか不要でしょ? えんま大王とかぬらりひょんのクオリティの低いダンスとか、若い母親へのサービスなんでしょう?

あと実写ふみちゃんのえろい演出とか不要過ぎる。おはスタに途中からおはガールとして参入してきた渡辺優奈って方ですけど、今調べたら14歳なのか! おはスタではツインテで出ているし小学生かと思ってたよ...。扱いが不憫だと感じました。

右から2番目の子ね。

終わりに

心に沁みる作品ならアニメだろうと実写だろうと何回でも観たいなあと思わせるものがあると思うのですが、この作品にそんな要素は皆無でした。娘も面白かったーっとはいってましたし、妖怪メダルをゲットできて満足していましたけど、来年小学3年生になりますし、そろそろ作品の善し悪しも分かる年齢に近づいているので、次回で卒業かなあと思いました。

配給側としてはある程度売上が計算出来て、投資した分回収出来ればいいというスタンスなのでしょうけれど、映画は自宅でDVDや動画をみるのとは違い、特別な体験ですからね。子供が大きくなって、あーそういえば子供の頃あのアニメ面白かったよな〜って思われる作品を作れているかどうか、制作に携わった方には今一度胸に手を当てて見て欲しいです。

最後にさらっと来年も映画つくること書いてありましたけど、おそらく同じようなクオリティではないかと想像します。クオリティよりも売上メインで作られるからです。合掌。

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